ニーナ・シモンの代表曲「Feeling Good」が、坂本香織選手のフリー楽曲に起用!

フィギュアスケート2023-2024シーズンにおいて、圧巻の演技で世界最高得点を獲得し、グランプリファイナル初優勝という快挙を果たした坂本香織選手。

彼女が今季フリーで披露した楽曲として注目を集めているのが、ニーナ・シモンの「Feeling Good」だ。

 

NINA SIMONE「Feeling Good」(1965年)

憂いを湛えたアカペラから始まり、荘厳なブラスとアーバンな雰囲気のピアノが折り重なっていく展開に胸躍る1曲。ラストにおける情熱的なスキャットにも心を打たれる。

 

 

アメリカの伝説的シンガーであるニーナ・シモンは、ジャズ、ブルース、R&B、フォークなど、ジャンルにとらわれない独自の音楽スタイルを持ち、重厚なソウルフル・ヴォイスと圧倒的な表現力によって数多くの名作を世に遺した人物である。

 

特に、先述の「Feeling Good」は世界的・歴史的に人気を博している楽曲であり、ニーナの代表曲でもある。本作はもともと、1964年にアンソニー・ニューリーとレスリー・ブリカスによって書かれたミュージカル・ソングであり、ニーナの歌唱ヴァージョンは翌年の1965年に発表された。

 

 

「Feeling Good」(1964年)/ミュージカル『THE ROAR OF THE GREASEPAINT – THE SMELL OF THE CROWD』より

オリジナルであるミュージカル作品においては、人種的・経済的な不平等に苦しむ登場人物が、自身の境遇を乗り越え勝利を手にした喜びを表現する歌として位置づけられている。ふつふつと湧き上がる感情を表すかのように、後半ではドラマティックなオーケストラと勇猛な歌唱によって楽曲の迫力が増していく。

 

 

そして今回の坂本選手のフリー演技で実際に使用されたのは、アメリカのR&Bシンガー:ローリン・ヒルによるカヴァー・ヴァージョンである。こちらは、2015年に発表されたニーナのトリビュート・アルバム『NINA REVISITED: A TRIBUTE TO NINA SIMONE』のために録り下ろされたものだ。

 

MS. LAURYN HILL「Feeling Good」(2015年)

ニーナのヴァージョンと比べると、バック演奏がビッグバンド形式である点は共通していながらも、ドラムの手数が多く、ギター・ソロがフィーチュアされている印象。ラストにかけて刻々とロック色が増していく曲展開は、坂本選手の美麗かつ躍動感あふれる演技に非常にマッチしている。ニーナの包み込むような低音ヴォイスとはまた異なる、ローリン・ヒルのエッジの効いたハスキー・ヴォイスも楽曲に新たな魅力をもたらしている。

 

 

このほかにも、「Feeling Good」はミューズやマイケル・ブーブレ、ジョージ・マイケル、アヴィーチーをはじめとした著名アーティストによってカヴァーされており、時代・ジャンルを問わずワールドワイドで愛されている色褪せない名曲である。

 

坂本選手のパフォーマンスで本作を初めて知った方も、もともと楽曲をご存知だった方も、この機会に様々なカヴァー・ヴァージョンを聴き比べて楽しんでみてはいかがだろうか。

 

 

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