金延幸子/Sachiko Kanenobu
国内女性シンガーソングライターのパイオニア
大阪府出身のフォーク・シンガー:金延幸子は、国内における女性シンガーソングライターの草分け的存在とされています。
1966年頃から大阪のフォーク・シーンで活動を始め、高石ともや、中川五郎らによる音楽ユニット:フォーク・キャンパーズや、1969年に西岡たかし、中川イサト、瀬尾一三、松田幸一らと共に始動したグループ:秘密結社○○教団(のちに西岡が脱退し、”愚”へと改名)などへの参加を経て、1971年に上京しソロ・デビュー。
ソロ作の記念すべき第一弾は、大瀧詠一がCHELSEA名義で編曲を担当したEP『時にまかせて/ほしのでんせつ』(1971年)。その翌年には、フォーク・ソング色の濃厚な弾き語りを中心とする1stアルバム『み空』が発表されました。
本作の制作を終えると、アルバムのリリース前にアメリカ人ロック評論家のポール・ウィリアムズと結婚し、渡米します。それからしばらくは音楽キャリアから離れることになりますが、約20年後の1993年にSACHIKO & CULTURE SHOCK名義で『SEIZE FIRE』を発表し復帰を果たしました。この2ndアルバムと次作の『It’s Up To You』(1995年)は、共にサンフランシスコのミュージシャンと共に制作されたものであり、バンド・サウンドが押し出された英語詞主体の作品となっています。
1998年には、秘密結社○○教団~『み空』以前のソロ活動における貴重音源を集めたコンピレーション『レア・トラックス~時にまかせて』をリリース。同年には来日も果たし、伊豆のスタジオでレコーディングを行なったニュー・アルバム『Fork in the Road』が発表されました。本作は大阪時代の盟友:松田幸一がプロデューサーを務めているほか、中川イサトや瀬尾一三も参加した愚のリユニオンによる新曲も収録されています。
1999年に発表された5作目のアルバム『Sachiko』では、ワールド・ミュージックを取り入れた独創的な音楽性を展開。その後は過去作品のリイシュー盤が発売され、2018年には『み空』の45周年記念ライヴが開催されました。さらに、2023年11月からは国内ツアーも行なう予定であり、現在も精力的に活動を行なっています。
デビュー作にして歴史的名盤『み空』
そんな金延幸子の作品の中でもとりわけ名盤と名高いのが、先述したデビュー・アルバムの『み空』。URCレコードからリリースされた同作は、細野晴臣がプロデューサーとして全面協力し、編曲&レコーディングにも多く関わっているほか、大瀧詠一や鈴木茂、林立夫、中川イサトといった豪華メンバーが制作に参加しています。1989年にキティ・レコードから初のリイシュー盤CDが発売されると、徐々に再評価がなされ人気が再燃していきました。
また、収録楽曲の1つである「青い魚」は、1999年にロック・バンド:GRAPEVINEによってカヴァーされ、新たな世代のリスナーにも支持されました。
原曲のゆったりとした雰囲気を踏襲しつつも、重厚なギター・サウンドによって骨太なロック・ナンバーに生まれ変わっています。
■「青い魚」/GRAPEVINE(1999年)
また最近では、同曲が2023年12月22日公開予定の映画『PERFECT DAYS』(監督:ヴィム・ヴェンダース/主演:役所広司)に起用され話題となっており、金延幸子の作品が半世紀もの時を経ても長く愛され続けていることがお分かりいただけることと思います。
なお弊社では、『み空』収録の全楽曲に加え、”愚”時代の楽曲「あかりが消えたら」「マリアンヌ」を管理しております。
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