ドイツ出身のギタリストであるヘルゲ・エンゲルケは、ハード・ロック・バンド:フェア・ウォーニングのメンバーとして広く知られているほか、彼を中心に結成したプロジェクト:ドリームタイドのメインコンポーザーとしても活躍しました。磨き抜かれた美旋律を誇る優れたソングライティングと、通称”スカイギター”を用いた天空を駆けるようなハイトーンのプレイは、唯一無二の持ち味となっています。
本記事では、フェア・ウォーニング/ドリームタイド作品のうち、ヘルゲが全面的に作曲に携わった楽曲にフォーカスし、彼のスタイルを浮き彫りにしていきましょう。
これに合わせて、関連楽曲をまとめたプレイリストも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてみてください。大ヒット曲から隠れた名ナンバーまで、彼のソングライター&ギタリストとしての才能が光る作品の数々をお楽しみいただければと思います。
メロディアス・ハードロックの代名詞的存在、フェア・ウォーニング
1989年に結成されたフェア・ウォーニングは、ギタリスト:ジーノ・ロートが率いる”ZENO”を母体としており、同バンドのスタイルを引き継ぎつつも、よりハード・ロック色を強化した音楽性を展開しています。作詞・作曲はリーダーのウレ・リトゲン(b)が多くを担当していますが、ヘルゲも各アルバムで数曲ずつ提供しており、ウレ作に引けを取らないヒットを生みました。
■「When Love Fails」/FAIR WARNING(1992年)
■「Don’t Give Up」/FAIR WARNING(1995年)
■「Angels Of Heaven」/FAIR WARNING(1997年)
3rd『GO!』(1997年)のトップバッターを飾る人気曲。ノリ良く躍動感あるギターリフから一気に広大なバンドサウンドへ変化するイントロは、傑作と名高いこのアルバムの幕開けにふさわしい。楽曲展開/歌詞ともにドラマ性があり、スカイギターのハイトーンが存分にフィーチュアされたソロはまさに「天国」を表現しているかのよう。
■「Heart On The Run」/FAIR WARNING(2000年)
■「Generation Jedi」/FAIR WARNING(2006年)
FWの遺伝子を受け継いだヘルゲのニュー・プロジェクト、ドリームタイド
4thアルバム『FOUR』リリース後、度重なるメンバーの脱退によりフェア・ウォーニングは解散状態に陥りました。その間、ヘルゲはバンドの元メンバーであるC.C.ベーレンス(dr)らとともに新たなるプロジェクト:ドリームタイドを始動。ヘルゲをメイン・コンポーザーとして、フェア・ウォーニングの音楽性を継承したメロディアス・ハードロックを展開していきます。
■「What You Believe In」/DREAMTIDE(2001年)
■「Dream Real」/DREAMTIDE(2006年)
■「Dawn」/DREAMTIDE(2022年)
■「Stop Being Deep」/DREAMTIDE(2022年)
■「Spin」/DREAMTIDE(2022年)