秋を彩る哀愁ソング特集

夏の盛りも過ぎ、いよいよ秋らしい気候となってきた今日この頃。
冬へ向かって刻々と変わりゆく景色を眺め、少し感傷的な想いに浸る方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

今回は、そんな心情に寄り添ってくれるような楽曲プレイリストをご紹介。
アーバンな雰囲気のミディアム・ナンバーから、しっとりとしたアコースティック・ギターやピアノの旋律が印象深いバラード曲まで、’70~’80年代の洋楽・邦楽を中心とした”哀愁ソング”をお届けいたしましょう。

 

ゆったりしたお茶の時間や、読書のお供にぜひいかがでしょうか。

 

 

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竹内まりや『September』や、松田聖子『風立ちぬ』、山口百恵『秋桜』といった、秋をコンセプトに作られた邦楽楽曲はもちろんのこと、
季節的な意味合いは込められていなくとも、どことなく秋らしいイメージを彷彿させる洋楽楽曲まで、幅広くお楽しみいただけることと思います。

 

さて、プレイリストをご覧いただきまして、メタルの帝王:オジー・オズボーンの楽曲があるのが意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしこの『Dee』は、クラシック・ギター単体での和やかなナンバーとなっておりまして、本プレイリストの他楽曲ともかなり馴染み良く感じられたことでしょう。

 

ギターを演奏しているのは、オジー・バンドの初代ギタリストであるランディ・ローズ。
パワフルかつ流麗なメタル・フレーズを弾く姿が有名な彼ですが、自身の愛する母へ捧げられたという本楽曲『Dee』では、クラシック・ギターならでは優しい音の響きによって、自身の持ち味であるクラシカルな旋律美が前面に押し出されています。

 

 

また、意外な選曲という点では、ザ・ローリング・ストーンズに関しても少々異色に思われたことでしょう。ブルースやR&Bを源流としたロックンロールを展開するストーンズですが、この『Angie』はフォーク・ソング色の強い1曲となっており、本作のシングル発売時(1973年)には全英5位、全米1位に達するほどの人気を集めました。

 

キース・リチャーズの切ないアコースティック・ギターのフレージングや、愁いを湛えたミック・ジャガーの歌声が紡ぐノスタルジックな世界にぐっと引き込まれます。
エネルギッシュなパフォーマンスをするストーンズとはまた違った魅力を楽しめる、秋の雰囲気にもぴったりのムーディーな楽曲です。

 

The Rolling Stones『Angie』

 

 

さて、このプレイリストでは、切なげなピアノが印象深いバラード曲も多数ご紹介しています。あまりにも有名な楽曲の数々が並んでいますが、本記事ではハリー・ニルソン『Without You』とアレサ・フランクリン『Come To Me』にフォーカスしてみましょう。

 

まず、ハリー・ニルソン『Without You』ですが、こちらは英国ロック・バンド:バッドフィンガーのカヴァー曲です。オリジナル・ヴァージョンはアコースティック&エレキ・ギターを主体とするロック・バラードですが、ハリー・ニルソン版では優雅なピアノ&ストリングス・アレンジが施されました。曲が進むにつれて段々と迫力&切なさが増していく展開は、まるで映画のエンディング・シーンを思わせるかのようです。

 

ちなみに『Without You』は180を超えるアーティストにカヴァーされているとされ、特にマライア・キャリーによる1994年の作品が有名です。奇しくもこのヴァージョンは、ハリー・ニルソンが亡くなった1週間後にリリースされたものでした。

 

Mariah Carey『Without You』

 

 

そして最後にご紹介するのが、ソウル・シンガー:アレサ・フランクリンの『Come To Me』。こちらもカヴァー曲であり、オリジナルはロイ・ヘッドの歌唱による1977年作です。
アコギがメインでカントリー色の強い原曲に対し、アレサのカヴァー・ヴァージョンでは、先述の『Without You』と同様にピアノ&ストリングスの存在感を濃厚にしながらも、彼女のソウルフルな歌声と重厚なコーラスがフィーチュアされた劇的アレンジとなっています。

 

なお、本作が収録されたアルバム『ARETHA』(1980年)には、ホイットニー・ヒューストンやマイケル・ジャクソンなどを手がけた名プロデューサー:デヴィッド・フォスターのほか、スティーヴ・ルカサーやジェフ&マイク&スティーヴのポーカロ3兄弟といったTOTOのメンバーらが制作に参加しており、抜群にハイクオリティなバンド・サウンドも聴きどころとなっています。

 

 

さて、いかがだったでしょうか。
今回ご紹介したプレイリストをきっかけに、ぜひ皆さまもご自身にとってお気に入りの秋ソングを探してみてくださいね。